暑い季節、ホットで淹れたコーヒーに氷を足すだけでは、香りが薄まってぼやけた味になりがちです。**アイスコーヒーの急冷式とは、いつもより濃いめに淹れたコーヒーを、サーバーに先に入れておいた氷で一気に冷やす作り方のことです。**高温のまま急速に冷えることで、香り成分が飛びにくく、氷が溶けて薄まる分もあらかじめ計算に入れられるのが特徴です。水でじっくり抽出する水出しコーヒーとは別物の、ホット派にもうれしい時短の淹れ方を解説します。
- 氷は先にサーバー(受け皿)へ入れておく。後から加えると急冷のタイミングを逃す
- 粉の量はホットの1.2〜1.3倍が目安。氷で薄まる分を見込んで濃いめに淹れる
- 挽き目は中細挽き〜中挽き。細かくしすぎると過抽出で渋みが出やすいので、濃さは主に粉の量で調整する
- 湯温は90〜93℃。高温のまま一気に冷やすことで、香りが飛びにくい
- 作ったらその日のうちに飲みきる。溶けた氷でどんどん風味が変わっていく
アイスコーヒー(急冷式)とは?
急冷式は、ペーパードリップやフレンチプレスなどお湯で淹れたコーヒーを、サーバーの中で待ち構えている氷に直接注いで一気に冷やす方法です。ホットの延長線上にある淹れ方で、ハリオV60のハンドドリップの手順さえ覚えていれば、特別な道具を増やさずに作れます。
よく似た存在に「水出しコーヒー(コールドブリュー)」がありますが、こちらは水と粉を長時間(8〜12時間ほど)漬け込んで抽出する方法で、急冷式とは原理がまったく異なります。水出しはまろやかで酸味が穏やかな味になりやすいのに対し、急冷式は高温で短時間抽出するため、香りの立ち方がホットに近く、すっきりとした印象に仕上がります。作り方の違いは水出しコーヒー(コールドブリュー)の作り方でも紹介しています。
用意するもの
- ドリッパー(V60など)とペーパーフィルター、またはフレンチプレス
- コーヒーの粉(中細挽き〜中挽き、ホットの1.2〜1.3倍の量)とお湯
- 氷(たっぷりめ。グラス1杯あたり100〜150g程度)
- 耐熱のサーバー、コーヒーミル、あればスケール(はかり)
氷は多めに用意しておくと安心です。抽出中にも溶けていくため、少ないと急冷しきれず、ぬるいまま薄まってしまいます。
基本の淹れ方(ドリップ急冷式)
- 1サーバーに氷を入れる
耐熱サーバーに氷をたっぷり入れておく。出来上がりの杯数ぶんの氷を、抽出前に必ず用意しておくのがポイント。
- 2粉を用意する
中細挽き〜中挽きの粉を、ホットで淹れるときの1.2〜1.3倍の量だけ用意する。氷で薄まる分を見込んで濃いめに設定する。
- 3蒸らす
90〜93℃のお湯を少量注ぎ、30秒ほど蒸らして粉全体を湿らせる。ガス抜きをして、お湯の通り道を均一にする。
- 4お湯を注いで抽出する
数回に分けてお湯を注ぎ、いつもより短めの時間でテンポよく落としきる。ドリッパーの真下にあるサーバーの氷へ、落ちたそばから抽出液が触れてその場で一気に冷える。だらだら時間をかけると過抽出で渋みが出やすくなる。
- 5軽く混ぜてグラスへ注ぐ
サーバーを軽く揺すって濃度を均一にし、氷を入れたグラスに注ぐ。仕上がりが薄ければ、次回以降は粉の量を増やして調整する。
おいしく淹れる3つのコツ
1. 氷は「先に」「多めに」
氷を後から足すと、すでにぬるくなった抽出液に合わせることになり、急冷の効果が薄れて香りがぼやけます。抽出前にサーバーへ入れておき、量もケチらないことが一番のコツです。
2. 濃いめに淹れることを恐れない
氷が溶けて薄まる前提で考えるため、ホットの感覚のまま淹れると物足りない仕上がりになりがちです。濃さを上げたいときは、挽き目を細かくするのではなく、まず粉の量を増やしましょう。挽き目を細かくしすぎると過抽出になり、渋みや雑味の原因になります。比率の基本的な考え方はコーヒーの黄金比とは?でも解説しています。
3. 抽出時間を長引かせない
お湯がちょろちょろとしか落ちず抽出に時間がかかりすぎると、過抽出になって渋みや雑味が出やすくなります。氷に落ちた抽出液はその時点で冷えるため急冷そのものは問題ありませんが、濃さがぶれないよう、粉量・挽き目・お湯の注ぎ方を見直してテンポよく(2〜3分程度を目安に)落としきるようにしましょう。
味の調整
- 薄い/物足りない → 粉の量をさらに増やす、または挽き目を少し細かく
- 苦い/渋い → 挽き目を少し粗くする、または抽出時間を短くする
濃いめに淹れても負けない、しっかりしたコクのある豆を選ぶと急冷式との相性が良くなります。好みの味わいが分からないという方は、まず診断で自分のタイプを知るところから始めてみてください。
よくある質問
急冷式アイスコーヒーの氷はどれくらい入れればいいですか?
グラス1杯あたり100〜150g程度を目安に、たっぷりめに用意するのがおすすめです。少なすぎると抽出中に溶けきってしまい、急冷しきれないまま薄まってしまいます。
急冷式は普通のホットコーヒーより粉を多く使うのですか?
はい。氷が溶けて薄まる分を見込んで、ホットで淹れるときの1.2〜1.3倍ほどの粉量にするのが目安です。いつもと同じ量で淹れると物足りない味になりやすいので注意しましょう。
急冷式と水出しコーヒーは何が違いますか?
急冷式はお湯で短時間抽出したコーヒーを氷で一気に冷やす方法で、ホットに近いすっきりした香りが出やすいのが特徴です。水出しコーヒーは水と粉を8〜12時間ほど漬け込んで抽出するため、まろやかで酸味の穏やかな味になりやすく、原理も作り方も異なります。
急冷式アイスコーヒーの挽き目はどれくらいが目安ですか?
中細挽き〜中挽きが目安です。濃いめに淹れたい場合も、挽き目を細かくしすぎると過抽出で渋みが出やすくなるため、濃度は主に粉の量を増やして調整するのがおすすめです。
作ったアイスコーヒーはどれくらいで飲みきればいいですか?
その日のうちに飲みきるのがおすすめです。氷が溶け続けることで味がどんどん変化していくため、作り置きには向いていません。