**エアロプレスは、注射器のような筒に粉とお湯を入れ、空気圧でぎゅっと押し出す抽出器具です。**抽出時間が1〜2分と短く、後片付けも簡単なため、自宅はもちろんキャンプや旅行先でも人気があります。この記事では、基本の「標準法」の手順と、雑味を抑えておいしく淹れるコツをやさしく解説します。
- 挽き目は「中細挽き」。V60よりやや細かく、エスプレッソほど細かくしない
- 黄金比は豆1:湯13〜15前後(例:豆15gに湯200ml前後)
- 湯温は80〜92℃が目安。沸騰直後の熱湯だと雑味や苦味が出やすい
- 抽出(押し出し)は1〜2分と短時間。専用のペーパーフィルターでクリアな味わいに
- 「標準法」と「反転法(インバート法)」の2通りの淹れ方がある
エアロプレスとは?
エアロプレスは、2005年に発明家アラン・アドラー氏が考案した抽出器具です。フリスビーの「エアロビー」で知られる同氏が、注射器の原理をヒントに開発したといわれています。円筒形のチャンバーに粉とお湯を入れ、プランジャー(押し棒)を押し込むことで、空気圧を使って短時間で一気にコーヒー液を押し出すのが特徴です。
ハリオV60のようなペーパードリップが重力だけでお湯を落とす「透過式」なのに対し、エアロプレスは粉をお湯に浸してから圧力で押し出す「浸漬+加圧式」というハイブリッドな抽出方式です。ペーパーフィルターを使うため、フレンチプレスよりもクリアですっきりした口当たりになりやすく、抽出時間が短いぶん雑味の少ない一杯に仕上がります。ハンドドリップの基本をおさらいしたい方はハリオV60の淹れ方も参考にしてください。
用意するもの
- エアロプレス本体、専用ペーパーフィルター
- コーヒー豆(1杯あたり約15g)とお湯(約200ml、80〜92℃)
- コーヒーミル、あればスケール(はかり)とタイマー、撹拌用のパドル(マドラー可)
挽き目は中細挽きが基本です。V60などのペーパードリップよりやや細かめにすると、短い抽出時間でもしっかり味を引き出せます。細かすぎるとエスプレッソのように目詰まりして押しにくくなるので注意しましょう。
基本の淹れ方(標準法・1杯分)
エアロプレスには、チャンバーを上向きのまま使う「標準法」と、上下逆さにしてセットする「反転法(インバート法)」があります。ここでは器具に付属する説明書でも採用されている、初心者に扱いやすい標準法を紹介します。
- 1フィルターをセットして温める
専用ペーパーフィルターをキャップにセットしてチャンバー先端に取り付け、サーバーやカップの上に置いてお湯を注いで温める。フィルターの紙くささも抜ける。
- 2湯を捨てて粉を入れる
温めたお湯を捨て、中細挽きの粉を約15g入れて表面を平らにする。
- 3お湯を注ぐ(蒸らし)
80〜92℃のお湯を少量注ぎ、粉全体を湿らせて30秒ほど蒸らす。粉がふくらみ、ガスが抜けていく。
- 4残りのお湯を注ぐ
全体で約200mlになるよう残りのお湯を注ぎ、パドルで軽く10回ほど撹拌して粉とお湯をなじませる。
- 5プランジャーをセットして少し待つ
プランジャーをチャンバーの上に軽く差し込み、空気を抜かない程度に置いたまま30秒〜1分ほど浸漬させる。
- 6ゆっくり押し出す
プランジャーを両手で垂直に、体重をかけすぎずゆっくりと20〜30秒ほどかけて押し下げる。「シュー」と空気の抜ける音がしたら押すのをやめる。
- 7お湯で割って濃さを調整(お好みで)
抽出液は濃いめに仕上がるので、お湯を足してアメリカーノ風に薄めても、原液のまま濃く楽しんでもよい。
おいしく淹れる3つのコツ
1. 湯温を上げすぎない
沸騰直後の熱湯(98℃前後)でそのまま淹れると、短時間の抽出でも渋みや雑味が出やすくなります。やかんから直接ではなく、少し冷ましてから注ぐのがおすすめです。
2. 押し出す速さを一定にする
早く押しすぎると濃度が薄く水っぽい味に、遅すぎると渋みが出やすくなります。20〜30秒かけて一定の速さでゆっくり押し切るイメージを持つと、毎回味がぶれにくくなります。比率や湯温の考え方はコーヒーの黄金比とは?でも詳しく解説しています。
3. 最後まで押しきらない
プランジャーを最後まで押しきると、フィルターの奥に溜まった雑味成分まで押し出されてしまいます。「シュー」という空気の抜ける音がしたら、そこで止めるのがコツです。
味の調整
- 濃い/苦い → 挽き目を少し粗く、湯温を下げる、または押し出す時間を短く
- 薄い/物足りない → 挽き目を少し細かく、粉の量を増やす、または浸漬時間を長めに
まずは豆選びから、という方は、好みの味を診断してみるのが近道です。エアロプレスのようなクリアですっきりした抽出法との相性が良い豆も、BrewMatchが提案します。
よくある質問
エアロプレスの挽き目はどれくらいが目安ですか?
中細挽きが基本です。ハリオV60などのペーパードリップよりやや細かめが目安で、細かすぎるとエスプレッソのように目詰まりして押しにくくなります。
エアロプレスの湯温はどれくらいが目安ですか?
80〜92℃が目安です。沸騰直後の熱湯(98℃前後)をそのまま使うと、短時間の抽出でも渋みや雑味が出やすくなります。
標準法と反転法(インバート法)は何が違いますか?
標準法はチャンバーを上向きのまま使う基本の淹れ方で、初心者でも扱いやすいのが特徴です。反転法はチャンバーを上下逆さにセットしてから最後にひっくり返す方法で、浸漬時間を長く取りやすく、抽出のコントロール幅が広がります。
豆とお湯の分量の比率は?
豆1に対して湯13〜15前後が目安です。たとえば豆15gなら湯200ml前後。抽出液はやや濃いめに仕上がるので、お湯で割って濃さを調整してもよいでしょう。
エアロプレスとフレンチプレスは何が違いますか?
エアロプレスはペーパーフィルターを使い短時間で圧力をかけて抽出するため、クリアですっきりした味わいになりやすいのが特徴です。フレンチプレスは金属メッシュで濾す浸漬式で、ペーパーが吸着しないぶんコクや油分が残り、しっかりした口当たりになります。